猛ける想い

迫力のオレンジ

悔しい。
試合終了後もしばらく口がきけないほど
悔しい。
でも、しばらくして気がついた。
勝てなくてこんなに悔しいと思ったのっていつ以来?
ここ数年は負けても仕方ないと思うような内容で
むしろ勝つことが奇跡だと感じるほど。
私に『悔しい』という感情を再び持たせてくれるほど
エスパルスは前進している。


ダービーに相応しくお互いにプレスの掛け合いが続く中
徐々にペースを掴むのはエスパルス
圭輔がいい。
イチがいい。
浩太も和道も、そしてモリ、トシもいい。
両方のサポの熱気に煽られて
ピッチ上でも気持ちの入ったプレーが繰り広げられていく。
そして前半33分。
ゴールまで25mの位置でFKのチャンス。
蹴るのはテウクではなくモリっ!
この日はゴール裏での観戦だったので
綺麗に軌跡まで辿ることができた。
鮮やかなゴール!
先制!!
歓声も束の間、いきなりのCKのピンチに西部コールのエスパサポ。
しばらくの時間、エスパゴールにはりついての戦いにも
ここ数試合ですっかり『堅守』の冠が似合うようになったエスパDFの
頑張りで1点リードのまま前半終了。


イケる。
後半の立ち上がりのエスパを見ていて、そう感じた。
勝てるかもしれない。
でも、そんな甘い考えを目の前で断ち切られた。
ムリな体制でシュートを放ったキタジが倒れこんだまま動けない。
担架に乗せられて退場する間も顔を両手で塞いだまま。
そして戦術は機能しなくなった。
キタジが負傷退場したあと、エスパのシュートは0本。
あの不運なゴールがなければ、と思うほど
この日のDF陣も西部も去年までとは雲泥の差で頑張っていた。
あと10分、守りきれていれば。
それが出来ると思えるエスパだっただけに悔しい。
悔しい。
そして『悔しい』と思うことが嬉しい。
やっぱりダービーは格別です。