新しい雷のタトエ

昨日のお昼過ぎ。
少し黒い雲がむくむくと湧いてきたな、と思って
自宅ベランダ隙間の小さな空を見上げていたら
時折その黒雲の断面に反射する光の照り返し。
また、雷?
夕飯の買い物に出掛けようと準備を始めたところだったのに。
「そっちも凄い?」
車で30分ほど離れたところから主人が電話してくる。
雷?そうでもないよ。
「まじっ?こっちなんて雷も雨も凄いよ、大宮みたい」
雷雨の凄さの基準になりつつある > 大宮
へぇ。”遠くで雷が鳴っているな”程度だよ。
こんなに近いのにねぇ。じゃ、そのうちこっちも雨降るかなぁ。
「そうだよ、きっと。気をつけな」
うん。
電話置いてPCの電源切ってまた窓のそばにやってくる。


鋭い光と迫力の轟音の時間差がさっきより短くなってきた。
しばらくして案の定降りだした雨。
よかった。
あのタイミングで買い物に行っていたら帰りは確実に降られてた。
見る見る白くなる窓の外の風景。
確かに『大宮』並みだ。


窓に張り付いて わくわくしながら稲光を眺める私の隣には
音の凄まじさに耳を横に張りっぱなしの愛猫。
雷は怖いけれど
私が何を見ているのか気になる、という好奇心のほうが優るらしい。


1時間ほどで通り過ぎていった雷雲を名残惜しげに見送って
このうちに、と急いで買い物へ。
お中元の素麺を夏が終わるまでに食べきらないと。


そして夜。
主人の帰るコールで夕飯の準備に取り掛かりながら
何気なくつけっ放しにしていたTVの画面が白いことに気付く。
あれ?さっきまでU23の試合やってたのに。て、まだやってた。
わ。また雷雨なの?『大宮』並みだ。
こっちももしかして降ってるかも。
思わず閉めていたカーテンを全部開けて外を見る。
一瞬明るくなる夜空にゴロゴロと忘れてころに力無く鳴る雷音。
まだ遠い。
雷雨が先か主人の帰宅が先か、競争だねぇ。
帰りにGS寄るからって言ってたっけ。
大丈夫かねぇ?と隣で不安げな表情の愛猫に聞いてみる。
体勢を低くして それどころじゃない様子。


試合が中止になりました、と TVが伝えるのとほぼ同時に主人帰宅。
雷雨には無事勝ったらしい。
やがて激しさを増す雷が大雨を伴ってやってきた。
食後の一服をベランダでしている主人がひゃーひゃー言っている。
「すっげー、雨!」
光ってから4秒で音が鳴った、と騒いでいる。


綺麗。


ベランダのそばまで行って 飽きもせず稲光に見惚れる私。
足元にはやっぱりちょっと不貞腐れ気味の愛猫。


カミナリ、それぞれ。