【J特】分かれ道

試合前の練習風景

大事なのは次。
連敗しないことが大事。
去年の終盤、何度もそう書いた。
そして今年は何度も書いた。『今年のエスパは違う』。
違う、というところを魅せてほしい。

清水 1−2 横浜
 (岡ちゃん)

前節、スタジアムを盛り上げるのに一役買ったスタンディング。
この日のダイラには
あのスタンディングをまたやりましょう!の貼り紙が貼られていて
(もし貼られていなくても選手入場時には立つ気満々だった私はとくに)
その瞬間をワクワクしながら待った。



一斉に立ち上がるバクスタに遅れて メインも総立ちへ。
それぞれが掲げるタオマフと熱気と蒸し暑さで
一気に高まるスタジアムの雰囲気。



そんな観客席からの熱風を受けて始まった試合は
ちょっと緩慢なプレーがぽんぽんと続き
「むぅー。今日は入り方が良くないねぇ」と。
そして、そのままの流れで 最初のCKで失点。
開始2分。


でもね。
あまりにも早い時間の失点だったので
逆に気分的にはまだ『0−0』くらいの感じでやればいいし
焦る必要は無いし 実際に徐々にエスパがペースを握って
いつ追いついてもおかしくない雰囲気になっていった。


そんな前半30分。



岡ちゃんの岡ちゃんらしい、岡ちゃんならではのヘデイングで同点。



うん。ここから。よしよし。
ちょっと立ち上がりが良くなかったけれど
これで振り出しに戻して前半を終えた。



後半の入り方は それほど悪い、とは思わなかった。
が。
イヤな位置でFKを与えたな、とか
やけに西部が壁の作りかたの指示に手間取ってるな、とか
そういえば前半も最初のセットプレーで失点したな、とか
いわゆる『ヤな予感』がちらりとヨギッたと思ったら
再び失点。後半8分。


結局、これが決勝点となって退けられ
首位に返り咲いてひと試合めで その座を明け渡すことになった。


一度もリードできなければキツい状況であることはあるけれど
そんなに酷い内容とは思わなかったので
いずれ再び追いつき突き放しそうだな、と
さほど追いつめられた感はなく観ていた。


岩下が退場するまでは。


退場のシーンはバクスタ側だったので よく見えていた。
自分が攻撃に参加している、あの状況で
あんなボールの失い方はピンチになる。
だから あれはカード覚悟のプレーだった、と思う。
岩下もカードを提示されたこと自体はすぐに受け入れて
そのまま自分のポジションに戻ろうとして
その色が赤なことに気付いて動揺して。


この試合の勝敗を大きく分けた出来事だった。
それだけじゃない。
ロスタイムを入れて残り約30分もの間
ひとり少ない状況へチームを追いやってしまった。
ただでさえ中二日でタイトなスケジュールが待っているというのに。


なによりガッカリしたのは、その後の態度。
主審に抗議してたヒョーが慌てて走り寄って宥め賺していたけれど
きっとペナルティが課されるだろう。


この出場停止は岩下にとって分かれ道。
前半戦で平岡とボスナーのコンビの安定感はもうすでに実証済み。
(ボスナーの怪我もあったけれど)それでもケンタは岩下にこだわった。
それを自ら手放すことになった。
激しさと熱さは岩下の長所。
エスパ選手には珍しい、その気質を
私はどちらかというと愛でていたけれど
なにしろコントロールが利かないことが短所。
大人しくなれ、なんて毛頭思わない。
でもコントロールできなければ それはあまりにも危うい。
岩下、ここは分かれ道だよ?
大きな代償を支払うことになるであろうけれど
これを機会と捉えて見つめ直し、ひとつ上に登ってほしい。
昇らないといけないよ。


ひとり少なくなっても走り回って攻撃の機会を何度も魅せた。
岡ちゃんのあのシーン、あれ決めてほしかったよ。
我らがエースだもの。



下がるヒョーがキャプテンマークを直接巻いてあげたのはホンタク。
そうか、もうそういう選手になったンだな。



中二日で移動して試合。
当初はそれを不満に思っていたけれど
もしかして 次の試合への時間は短い方が良かったのかもしれない。
余計なことを思う時間もなく次の試合に挑んだ方がイイときもある。


だって反省点はこれまでと変わらない。
失点の仕方と時間帯。
集中力と球際の厳しさ、だ。



審判に盛大なブーイングを浴びせた2階席も
選手にはいつよより一層大きな声援で迎えた。



18試合でまだ2敗目。ンでもって、まだ2位。
このあと残り16試合を
ずーっと同じチームが首位を守るなんて思っていないので
実はいいタイミングで一呼吸おけたンじゃないか、と
好意的に捉えている私もいる。


大事なのは、次。
そう。次、だよ。