敗者ビイキ

結局 積もる、というところまではいきませんでした。雪。
家や車の屋根がうっすらと白くなっていたくらい。
今年はまだ雪だるま作れてないなー。
降るなら積もる!積もらないなら暖かく!
どっちかにしてほしいです。


大河も約ひと月経過。
主役が信長だったら もっとごにょごにょなのにと何度も思うほど
トヨエツ信長は予想以上にしっくりとはまっていて
とても素敵な信長だった。
雄々しく凛々しく華やかで艶やかで強くて揺るがない。
信長に仕えている人たちの多くは
その圧倒的な存在に魅了されると同時に畏怖を抱いていたンだろうな。
信長ってこんな感じだったのかも、と。
久しぶりに美しく迫力のある信長をあれこれ想いながら
うっとり観た。
残念ながら 来週からは回想シーンのみになってしまうけどね。むぅん。


ちなみにわたくし。
前にも書いたと思うけれど、『光秀ビイキ』。
はい。変わってます。


小学生のときの歴史に出てくる光秀はとっても残念な感じで
興味を持つどころか何の感情も抱くことは無かった。
そんな光秀に惹かれるようになったきっかけは・・・確か、ドラマ。
秀吉が主人公だったので もろ敵役、だったんだけど
あれほど重用されていた信長になぜ反旗を翻したか、のところを
丁寧に時間を使って書いてあって グっときたのだった。
そのとき初めて光秀側に寄り添って考えて
心から同情して哀しくて
勝者として光秀を貶めて歴史に残させた秀吉を嫌悪した。


それからは小説もドラマも光秀の扱いかたが重要なポイントに。


物静かで教養もたしなみも深く慎重で真面目で分をわきまえ
枠からハミ出ようとしない光秀(が私の勝手なイメージ)。
うんまぁ、ちょびっと被害者妄想的な面もあったかもしれないけれど
その光秀がどう追い詰められていくのか、が
戦国モノを観るときの私の一番の見どころ。


敵は本能寺にあり!」


西へ向かう軍の足を止めさせ
光秀にその台詞をどう言わせるのか、が興味深いンですよねぇ。
光秀は小物のクセに矜持だけが高かった、ではダメだし
ただ信長だけが高飛車に書かれていてはイヤなんです。
信長も素敵。光秀も素敵。
それでも起こる、悲劇。
そこなんですよぅ(≧w≦)


今回は 心の片隅に仕舞い込まれていた、天下への野望を
信長に挑発されて気づかされた設定に。
秀吉が暗躍していたのではなく
家康が裏で糸を引いていたのでもなく
九重のあたりから密命を帯びていたのでもなく
あくまでも光秀の心根の奥深くに眠っていた野心に突き動かされた行動。
うん。正攻法で良かった。
そのほうが
このあとうっかり天下を乗っ取ってしまってからの光秀の狼狽ぶりに
納得しながら観られるもの。


「是非に及ばず」


本能寺で攻め込まれた信長に支持を仰ぐ家臣たちに言う、信長の台詞。
光秀への最大の賛辞。
今、本能寺を取り囲んでいるのは光秀。
だとすれば抜かりなく布陣を整えているハズ。脱出などできまい。


信長の心情をきちんと言葉で知っていた蘭丸が発した
「無念です」
にもグッときた。


志半ばになることが無念です。
あなたの深い想いが光秀に伝わっていなくて無念です。
憂いていたことが現実となってしまって無念です。


そのあと。
信長がふすまを開けるまではとっても入り込んで観ていたけれど
うっかり『今回の主役は誰か!』ということを
わざわざ思いださせていただくことになって残念というか
こっちのほうが無念だよぅというか。


あ、変わり者なわたくし。
三成にも特別な感情移入をしてしまいますの。
光秀亡きあとは徐々にそちらにシフトいたします。