守護神

受け入れがたくて 泣くこともできない。
あまりに悲しいと泣けないのかな。
思いきり泣けたら気持ちの整理もつくのかもしれないけれど
まだ とても、そこまで。
実感・・・?
そんなもの永遠に訪れない気がしてる。
ただ、ふわふわと時間が過ぎるだけ。

勇気の守護神 永眠

今季、久しぶりにエスパに戻ってきたあなたと
こんな急にお別れがくるなんて。
どうして?と誰彼かまわず問いただしてまわりたい。
聞かれた方だって答えようが無いこと、分かってるケド。


GKのなかでは小兵だった。
でも。反応が良くて守備範囲が広くて
(ウチにはひとり多めにフィールドプレーヤーがいる!とも思ってた)
一時はシジマールに正GKの座を奪われながらも
腐ったりせずにシジマールにあって自分には無いものを
必死に探してそれを鍛えている姿を
よく、覚えてる。
インタビュー記事を読むと 柔らかな表情の内側には
激しくて厳しい一面があることが感じられて。
私がGKに求めるものは あなたのイメージそのものだった。


真田といえば『PKのときの頼もしさ』。
不運な判定でPKをとられたりしても
「いいよ大丈夫。だって真田が止めてくれるから!」
と思えたものだ。
PK戦になったときには よくキッカーにも立ってたっけ。
他チームのGKが蹴る順番よりも明らかに早かった。
自信持ってたよね。


守備範囲の広さが災いしたJ開幕戦も印象深いけれど
誰の心にも深く刻み込まれているのは
やっぱりナビ杯決勝のPK戦突入時の、あの姿だろう。


ゴール前に一歩一歩近づいていく真田は
キッカーではなくゴール裏のサポに向かって大きく手を広げ
「力をくれ!」だったのか
「俺と一緒に戦おう!」だったのか
祈りを強く込めた表情をしたあと
前に向き直って戦いに挑んでいった。
あのときほど『共に戦う』ことを実感できたことは無い。


小柄な背中に燦然と輝く、背番号『1』。
だけど決して小さくはなかった。
きりりとした表情でゴール前に立ちはだかり
味方を奮い立たせ鼓舞しサポの信頼のミナモトであり続け
守護神そのものだった。
真田コールに籠めた想いは『届いてる』と感じさせてくれてた。


こんなに急に。なぜ。
受け入れられない。
思い出を語っていたら少しは受け止められるかもとも思ったけど
やっぱり無理。
無理。