忘れ物を受取に

4年ぶりのナビ杯決勝の舞台へ進出決定。
20年間で5度目のファイナル。
そこに立つのに相応しい勝利だった。

清水 3−0 東京
 (ゲンキ3)

10月の半ばにしては少し暑い。
そんな一日。



先月行われた1stレグでは『1−2』で負けていたので
できれば無失点、もしくは2点差以上での勝利が必要だった。
天皇杯を早々に敗退し、先週のリーグ戦から中6日で
ダイラにやってきた相手と
天皇杯を水曜日に戦って中二日で この試合に挑むエスパと。
不利な条件がいくつも重なったけれど
逆境には慣れているのさ、と サポも心得たもの。



ここ数試合のなかでもワリとしっかりと入れた試合。
それでもシュートにまでは なかなか持ち込めず、
たぶんこれが最初のチャンスだったと思う。


前半26分。
FKをクリアされるも こぼれをトシが拾うと
サポからの『ゴールコール』がヒトキワ熱気を帯びる。
そこから力を得るように
トシから金属音のしそうなクロスが上がり
ファーでゲンキ!



待望の、待望の先制点!



絶対に完封して終えてほしかった。
そのためにも早い時間に1点めが欲しかった。


選手にとってもサポにとっても
これが『拠りどころ』の得点に。



トシとゲンキのホットラインの先制は
得点以上の意味も意義もあるし、ナニヨリ沸く。



この日のハーフタイムのロッカールームでは
さすがにゴトやんの雷は落ちることは無さそうだけれど
まだ安心できるものではなく
上手に選手たちの気持ちをコントロールしてくれているといいな、と
すっかり秋めいた空を見上げてた。



後半も いい緊張状態を保ったままの試合。
要所要所でユタカの低い重心を活かした守備が光る。
浩太が眩しい。
タイスケが目映い。


そんなキラメキのなかでも ゲンキが一等星の如く輝く。
後半18分。



対応してたマルヤマくんをコトモナゲニあしらい
縦パス1本から落ち着き払った、追加点。



『リトルライオン』から『ジャングルキング』へ。



無失点、無失点。
完封、完封。
得点を重ねても そこだけはやっぱり貫いてほしくて
祈る拳に力がコモル。



途中で出場した大悟の艶やかなパスに
スタジアム中からため息が漏れる。
優しいパスってだけじゃない。
上手に時間を使う間合い、自分たちに流れを引き寄せる呼吸。
そんなものに満ち溢れてる。


ロスタイムに投入されたアトムも
短時間で素晴らしい仕事をやってのけた。



エリア内に果敢に攻めいったアトムをたまらず倒し、PK。
自分の足にもつれて倒れたものではなく
倒された、PK。
アトムを倒した選手は一発退場。



キッカーはゲンキ。



蹴った瞬間 ふふんと笑ってしまうほど
落ち着いてGKの逆を突く、ダメ押し点。



真っ先にアトムが飛びついた (^^)



ベンチ組とも 派手な歓喜の輪が広がる。



そして、そのまま試合終了。



4年ぶりのナビ杯決勝の舞台へ。
その場に相応しい戦いをしたエスパルス



カップは頂くぜ!』。



MVPはゲンキに。
すっかり、本当にすっかり
押しも押されぬエスパの正真正銘の大エースになった。
頼もしいほど落ち着き払ったシュートに
こうやって国立へ連れていってもらる。
頼むよ、次は国立で!


MIPは・・・
この日 ピッチに立っていたオレンジ戦士全員に。
いえ、ベンチも含めた全員に。
みんな戦っていた。
自信と誇りを持って、堂々と顔を上げて戦っていた。


皆を誇らしく想う。



でっかい忘れ物をしたまま、4年。
今度こそ きっちり受け取ってこなくちゃ。
今度こそ、今度こそ。