零れ落ちた勝ち点

ごとり。
手のひらに収まっていたハズの勝ち点は 大きな大きな音を立てて零れ落ちた。

清水 1−3 広島
  (テセ)


当面のライバルとの直接対決。



相手に余分な勝ち点は与えない。
それがこの試合の一番大きな命題。



残留を争うチームのなかではせっかく一番上にいるのだから
それを利用してしっかり勝ち点を最小限でも積み上げていけばいい。



もちろん、理想はこちらが勝ち点『3』で相手は『ゼロ』。
だけど最悪でも 相手には『1』こちらにも『1』。
それならば差は縮まらないうえに残り試合が減っていく。



甲府戦で魅せてくれたような粘り強い守備。
それを毎試合魅せてくれればいい。



それなのに。
開始6分の相手CKで失点て。


本当に開始直後の失点多すぎ。
これじゃ、プランもなにもあったもんじゃないだろうなぁ。
取り返すために無理攻めして裏を取られてカウンター、って わかりやすすぎ。
単調な攻撃に終始したりなかなか最後の攻めのパスが繰り出せなかったり
せっかくの得点機会にもシュートが枠に飛ばなかったり。


これ、いま2失点めしちゃったら 終わっちゃうよ?
テセ早く出そうよ!


目の前の試合よりもアップゾーンのテセに熱視線を送り続けていると
私と同じように・・・イヤそれ以上の思いで「オレを出してくれ!」って全身で叫んでたテセに
ようやくお呼びがかかる。



後半24分。



(もうね、テセ本当に出たくてウズウズしてた。
 一度自分が呼ばれたと思ってコーナーフラッグ付近まで走っていったら
 実はまだ呼ばれてなくて両手を広げてベンチに向かって「なんでだよぅ!」ってアピールしつつ
 しぶしぶアップゾーンに戻っていった。
 そのあと今度こそ呼ばれた!って思って走って向かったら また呼ばれてなくて
 再びベンチに向かって両手を広げたあと胸をバンバン叩いてたっけ。
 それ見たベンチがようやく「GO!」のサイン出したら
 もう走りながらビブス脱いでそれを思い切りベンチに投げつけてて
 コバさんにドウドウって宥められてたほどw
 でも。
 それだけ気持ちが入ってたってことが伝わってきて嬉しかったよ)



そんなテセの想いの結晶が実ったのは 後半39分だった。





コーヤの素晴らしいクロスを渾身のヘッドで。



このときのスタジアムの熱狂ぶりといったら 文字で表すなんてムリ。
耳をツン裂くような歓声と拍手とサポひとりひとりの身体から吹き出す熱風。
一体となった瞬間。


ただ、その熱すぎる歓喜はピッチの選手たちの冷静さを奪ったかもしれない。



テセの同点弾のあと、ロスタイム入れて 残りたった6分。



その時間の消化のしかたは あれでよかったのか。



去年のアウェイ千葉戦の劇的逆転勝利は たしかに言葉にはできないほどの感動をもらった。
でも、あんなお祭りのような試合を毎試合望んでいるわけではなく
あれはあれ。


この試合に望んだものは『試合後に相手と詰まらない勝ち点差』だった。



タケもエダも疲労や怪我をおして 出場している。
替えようにも控えのボランチにはそれ以上に怪我をしている選手たちばかり。
居る選手だけでなんとかしなくちゃ。
なんとか勝ち点を得なくちゃ。


次節も当面のライバルとの直接対決。
本当に本当に 相手には余分な勝ち点を与えたくない。