心配りとサービス

昨日はバスに乗ってお出掛け。
すっかり車を運転しなくなりました (^^;


バス同士がすれ違うときって
それぞれの運転手サンが合図したり手を振ったりしてますよね。
手の振り方は人それぞれ。
事務的に右手を上げるだけの人が多い中で
昨日乗ったバスの運転手サンは
手をひらひらしながらずっと上下させていて
すれ違う運転手サンの笑顔を引き出しては楽しんでいる、
そんなお茶目なかただったみたい。
向こうの運転手サンも同じような手の振り方を返してきたりで
ちょうど運転席の真後ろにいた私もつい にやり。
発進や停車時の乗客への心配りも優しさが感じられるものだった。


運転する仕事が大好きなンだろうな。ふふ。


ふと
この前乗った新幹線のことを思い出した。


ダイラからの帰りに実家で一泊して乗った新幹線。
こだまは(当たり前だけど)各駅に止まる。
止まるだけじゃなく 後続ののぞみやひかりをやりすごすために
停車時間もちょっとだけ長い。
分かっていたことなので別に気にも留めず
エスパ勝利を伝える豪華静岡版スポ新を読み漁っていると
「本日は新幹線をご利用くださいましてありがとうございます」
新富士駅で珍しく車掌サンのアナウンス。
「現在この新幹線はのぞみ○○号通過待ちの停車でございます。
 停車時間は○○分ほどとなっております」
ふーん。
「只今の時間を利用しまして お客様にはぜひ左側窓にご注目ください」
ここでようやく新聞から目を離すと
そこには窓いっぱいに勇壮な富士山の姿が。


わー、こんなに大きく見えるンだ (〃@@〃) きれー。
「美しい富士山をご覧になりながら もうしばらくお待ちください」
一斉にそこかしこで携帯のカメラのシャッター音。
なんだか ただの待ち時間が一気に華やいだ。
それにしても麗しい姿だこと。
今日って こんなに青い空だったんだ。


車掌サンのアナウンスがなかったら
あのまま下向いて新聞読み続けていて
せっかくのこんなに綺麗な富士山にたぶん気付かずにいた。
ありがと、車掌サン。


この仕事が好きなんだろうな。
だからこそ生まれた押し付けがましくないサービス。


そういえば機長サンのアナウンスでも同じようなことがあったっけ。


どこからの帰国だったか思い出せないけれど
日本上空を飛んでいる飛行機のなかで
機長サンから利用のお礼や到着地の情報とかが述べられた後のこと。
「左下に只今富士山が見えております」
たった3日かそこらの旅行だったけれど
やっぱり富士山と聞けば
あー帰ってきたんだなー、なんて感慨に浸ると言うもの。
乗客の表情が一気に緩む。
続けて富士山についてのうんちくをちらりと披露するあたりもスマート。
へー、とあちこちから相槌が聞こえてくる。
「また右下には伊豆七島もくっきり見えております」
左に注目していた乗客の視線が今度は一斉に右へ。
少し丸みを帯びた、パレットナイフで描かれたような海に
ぽつぽつと浮かんだ島々。
島の向こうには小さく船も見える。
伊豆七島の話も嫌味ではない程度にうんちくを織り交ぜて
機長サンのアナウンスは終了した。


バスの運転手サンの楽しそうな合図を見ていて思い出した
車掌サンや機長サンの素敵なアナウンス。
おしゃべり好きだっただけ、と言ってしまえばそうかもしれないけれど
好きなことを職業にしているという余裕がさせるサービス。
たまたまそんな方が運転する乗り物に乗ることができたおかげで
和やかな想いをさせてもらえた。
またそんな機会にめぐり合えたらいいな。


なんだか。
どこかに旅行に連れて行って、と遠回しに言っているような
今日の私のブログ。