夏のお宿

三河屋旅館

「温泉にゆっくり浸かりたいなぁ」
先月何気なく言った主人のひと言で
お盆休みに旅行へ行くことが決まった。


初めて行くところだと どうしても観光が優先になるので
いつもの近場の温泉『箱根』近辺で宿を探す。
あくまでも「ゆっくり温泉に」。




ご飯は和食、それも朝夕できれば部屋食。
あとはやっぱり露天風呂がなくちゃ。


それに予算や希望日などで宿を検索する。
で。今回のお宿決定。
  三河屋旅館
緑の中に埋もれてる。


 苔むす石段をえんやこらと登る。
登りきって振り返ると 
真夏とは思えないほどの涼やかな風が吹き抜ける。
緑ってこんなに濃かったっけ?
 赤い傘がよく映える。
一気に『非日常』へ。


渋滞を考慮して少し早めに着くように時間設定していたら
出発したのが遅かったこともあってそれほど混んでいない。
ちょっと早く着いちゃうけど車を停めさせてもらって
荷物を預けて 近くを散歩でもしてればいっか、とそのまま宿へ。
するとチェックインの時間よりも30分ほど早いのに
待たされることもなくお部屋へ案内してもらえた。
  嬉し。
歴史のある旅館だけれど こちらは新しく
テラス付きの自慢のお部屋、というだけあって開放的。

すっかりこのテラスが気に入ってしまった私は
お部屋にいる時間のほとんどをここで過ごした。
わぁ♪ 
テラスからの景色は緑ミドリ翠碧みどり。
何色もの緑。
 
エアコンなんていらない。
自然の風で充分。今が夏だなんて忘れてしまうほどの涼風。
時間が経つのも忘れて何もしないで ただぼぅ〜っと景色を眺めていました。
あ、ヒグラシ。
都会で聴くよりも やっぱり風情がある。


ちょっとお宿の周りを散策。
  
木漏れ日。
 


「ぜひ、お入りくださいね」
と 仲居さんに勧められていた『明治の湯』。
露天付きの大浴場のほかにも 明治時代からのお風呂があって
それも自慢らしい。
お夕飯前のひと風呂はまずそちらへ。
駐車場はいっぱいだったのに私ひとりだけ。贅沢。
もしかしてみんな露天風呂が付いたお部屋に泊まってるのかも。
タイルで埋め尽くされたお風呂に歴史を感じる。
さすが文豪たちが泊まった、という旅館だなぁ。ふーん。
部屋の鍵は持ち歩けないので(脱衣場とか鍵ついてないし)
主人と替わりばんこにお風呂に行ってお互いに報告会。
やっぱり主人もひとりに近い状態だったらしい。


さて。お夕飯。
 
  
食前酒はグレープフルーツ酒。
お茄子の煮物や茶碗蒸しがとくに美味しかった (≧≦)
主人はちょっと量が物足りなかった模様 (^^;
 デザート♪


お夕飯後には大浴場のほうへ。
男湯側の壁と天井の間がかなり開いていて音が筒抜け (^^;
てかここってたぶんモトはひとつの大浴場を
壁で遮って男湯と女湯に分けたンじゃないかなぁ。
こちらでも私ひとり。
そっか。露天風呂つきの部屋が人気の旅館の大浴場は穴場かも。


テラスでしばらくボーっとしたあと再びお散歩へ。
 
夜風が心地良い。 
 夜も風情ある佇まい。


朝食は ざ・旅館の朝の定番。

朝は食べない主人もこういうときにはオカワリまでする。


最後にもう一度大浴場へ。
チェックアウトぎりぎりに出る。

お会計を済ませる間に
ラウンジで景色を楽しみながら朝の珈琲を堪能。
ここでもエアコンは入っていなくて
窓からの緑の風をぼんやりと受け入れる。


素敵なお宿だった。
絵になるお宿。
もう少し早ければ ツツジが見事らしい。
もう少し遅ければ 紅葉も素敵らしい。
でもこの時期はあの涼風が癒してくれる。


今度はどんなお宿にしようか?
久しぶりに濁り湯もいいかもね、と さっそく次の予定に花が咲く帰り道。