願い届かず

ここ数日おとなしかった蝉たちが
お前も泣け、と言いながら 羽を懸命に震わせる。
かと思えば 突然黒い雲が押し寄せて
その心のままに大粒の雨を吹き散らせる。
次から次へと捉えどころなく変わる空の表情が
たぶん 多くの人の想い、そのもの。


8月2日のお昼頃、その第一報を知り
ただただ衝撃を受け口元を押さえながら情報元の画面を食い入るように見つめ
何度もリロードしながら
できることは静かに一所懸命祈ることだけと
届いてほしい、そう念じながら快復を願っていました。
応援しているチームの垣根を簡単に飛び越えて集まるサポたちや
いろんなサッカー関係者の声が きっと力になれるハズと信じて。


その後 伝わってくる微かな情報は
厳しいものではあったけれど
屈強で逞しいハートを持ったあなたのイメージしかない私にとって
きっと撥ねつけてくれるものとばかり考えていました。


8月4日、13時6分。


松田直樹さん。
お疲れさまでした、と まだ若いあなたに掛けるのには苦い言葉を
口にするのが悔しいです。
哀しくて悔しいです。


心からご冥福をお祈りいたします。