なな七日

朝、のろのろと起きだすと 外は昨日から続く雨。
いつもの11月よりも少し寒い気がする。


亡くなると閻魔さまの御前で生前の行いを吟味され
七日おきに裁判が開かれるのだとか。
それをこちらの世から「こんなに行いの善いかたでした」と援護射撃する。


それが初七日、ふた七日、みつ七日・・・と続いて
七回めの七日めが なな七日。
そこで天国に向かうのか地獄の落されるのか、決定されるそうな。


そんな今日は愛猫のなな七日。
四十九日。




10月6日 金曜日の午前2時半過ぎ。
享年18歳。


旅立ってしまってから 毎週木曜日(予定が入ってしまったときには水曜日)に
お線香をあげに通っていました。
援護射撃のつもりで。
だって、本当にお利口さんだったもの。
旅立たせたくなどなかった。


まだ悲しみは薄らいでいません。これっぽっちも。


朝、目覚めれば 蘭がどこに寝ているのか探すとこから始まるし
お昼に帰宅すれば お留守番してたハズの蘭の姿をソファの背もたれに求めたりするし
夜、寝室に向かうのに一緒に行こうと蘭を誘おうとしてしまう。


どんなに隅々まで探しても もうどこにもいないのだと知っていることが悔しい。



亡くなった直後はコトバやモジにすることさえ できるだけ避けていたけれど
四十九日になったら ちゃんとブログに書こう。
書いて、それで受け入れようと思っていた。
思っていたけど。


まだ悲しみに追われてる。


ペットショップのゲージのなかで一番の暴れん坊だった蘭に惹かれ
抱っこさせてもらったときのベルベットのような肌さわりに一目ぼれして
その場で連れて帰ってから、18年。


食が細くて心配したり
それでいて大病には罹らず元気でヤンチャそのもので。
そのわりに旅行中に預けた先のペットホテルでは
『飲まず食わず寝ず鳴かず』のチョーがつくほどの内弁慶で。
それでも4度の引っ越しにはキチンとついてきてくれた。
震度5弱の震災にもそのあと何か月も続いた余震にも頑張って耐えてくれてた。


私が思っている以上に 蘭はきっと大丈夫。
ひとりで旅立ってしまったけど きっと。
それよりも いつまでもメソメソしてる私が心配で、なんて
蘭の足枷にならないようにしなくちゃ。


閻魔さまの目が曇っていなければ、蘭は今日天国に無事向かっただろう。



お線香をあげに行った帰り道、ふと見上げるといつの間にか青空が。
濡れるのが大嫌いだったから ホッとしてるだろう。
あの日、金木犀の香りのなかで旅立っていった蘭。
今 蘭を見送るのは紅く色づいた葉っぱたち。


今年の11月はいつもよりも寒い。
とくに膝のうえが寒い。