新しい別れ方 - えすぱリーゼ

『１５、８、５・・・９！』

試合前に　レンタル移籍をしていった選手たちの背番号を並べ
（辻尾、エダ、岩下・・・そして次はオレ）とも取れる、
そんな意味深なつぶやきをしてたジミー。
もしかして。

試合が終わった直後、その場に仰向けになって倒れ込み
なかなか起き上がらなかったジミー。

まるで　このダイラの空気を忘れないように
身体の隅々にまで残しておこう、とでもいうような姿。
試合前の意味深なつぶやきと相まって・・・。

そして、やっぱりオフ明けの昨日
正式に発表されました。

ジミー、レンタルへ

初めてジミーを観たのは３月の三保。
獲得はまだ未定の外国籍選手がやってくる、ということで
旅行帰りに三保に寄ってワクワクして観たのが、初ジミー。
そのときの印象は正直Ｊでやっていけるようには思えなくて
たぶん獲得は見送られるもの、と勝手に思ってた。
実際すぐには契約は結ばれず
何度も練習試合で試してからの獲得になった。
そこからは　とにかくＪに慣れさせるのが先、というカンジで
まだコンディションが上がってない様子だったけれど
とにかく短い時間でも起用し続けた。
でもなかなか目に見えて貢献はできなくて。
徐々にジミーの元気は無くなっていったように見えた。
言葉の通じないもどかしさ、なかなか出ない『結果』、
チームメイトや番記者の少し冷たいとも思える扱い。

そういえばジミーって
外国籍選手にありがちな、行き過ぎた自己主張をあまりしない。

せっかくエリア内で早い動き出しをしてもパスが出てこない。
よくある、そういったシーンでも
ゼスチャーで「こうしてくれよ！」とか「ここにくれ！」みたいなことを
してるところを見たことがない。

ＦＷとして　それがイイことなのかどうなのかは分からない。
けれど　イヤなタイプの人ではないことだけは、確かだった。

そんなジミーがツイッターをしてることを知った。
カタコトの英語でジミーに話しかけるサポひとりひとりに
気さくにリプをしていて　ピッチで観る姿とは違って楽しそうだった。
挙句の果てに『俺はエスパルスが優勝することを信じてる！』とか言って
『エスパルス　チャンピオン』なんてハッシュタグ作っちゃうし
『今日はどこそこと対戦するよ！』とか広報活動にも余念ないし
いろんなとこで位置情報付きで迷子になってたりするし
遠征先の仙台や神戸で観光をたっぷり堪能してたり
なんとも愛すべきキャラクターを露呈してくれた。

そのころから少しずつ　プレーも明るくなっていったような気がする。

今思えば　よほど会話に飢えてたのかな。
対戦相手にブラジル選手がいたりすると
試合終了後、ダッシュで駆け寄って行ったりしてたのも
印象的だったしね。

そんなジミーがようやく覚醒の兆しを魅せ始めたのは
７月になったころ。
あの三保で観た、ジミーのミドルシュートが忘れられない。

でも。
時、すでに遅し。

移籍が決まって　最後の試合となった、先週末のダイラでは
これまでにないほどの輝きをジミーは魅せた。
そして溢れそうなオレンジ愛も示してくれた。
ありがとね。